
寺伝で延喜4(904)年の創建と伝わる護国寺密蔵院は真言宗大覚寺派の大寺院です。
大徳寺文書にみる播磨国五箇荘内林崎村が当地であるとすれば大覚寺統の後宇陀院領であることから、密蔵院も大覚寺派の学僧が集まる院家(寺院)であったと推測できます。
密蔵院は東播磨の檀林密室灌頂跡といわれ、かつては修行僧に位を授ける密教の学問所として知られていたようです。
応永20(1413)年に中興したと伝わる僧増運は当時「弘法の再来」とまで言われた讃岐虚空蔵院(現與田寺)の僧増吽その人で、中世真言宗の有名な勧進僧です。
増吽は伝法灌頂が行われていた密蔵院において勧進活動を行い、その資金で当寺院の復興を遂げたとみられます。
なお密蔵院の本尊はかつて延命地蔵と准胝観音でしたが、惜しくも昭和20年の空襲で焼失しました。現在は大日如来と地蔵菩薩となっています。



明石ヘリテージマップ「船上・林」
変更なく存在する
トイレ あり
駐車場 あり
アクセス 山電西新町駅より南へ徒歩15分


2024.12.7 撮影