
林村は高砂道と瀬戸内海にはさまれた漁村で、浜辺に向かう縦の「筋」に沿って短冊状の町割りが形成されています。上下関係のない自由(すなわち無主)の浜辺に形成された漁村には漁労集団ごとに結束する自治の「場」が必要であり、それが短冊状に形成された町割りにも反映されています。
林村の町割りは高浜川(自由川)を境にして林地区と高浜地区に分かれます。ほぼ漁業で占めた林地区に対して高浜地区は半農半漁の村であったといいます。
また林地区は網漁やタコ壷漁を大規模な集団で営む東ノ丁(大東町、大丁、獅子投町の三町)とそれ以西の比較的小規模な釣漁を営む西ノ丁他(林二丁目)に大きく区分されると言われています。
林村には各町の町割り内に小神社の祭祀場があります。祭祀のみならず地域の経済、社会などと強く結びついた漁労集団の強い地縁は短冊状の町割りを形成しています。



明石ヘリテージマップ『船上・林』2019

2024.12.7 撮影