25.稲爪神社の門前

稲爪神社前の門前には、明石瓦で葺かれた家屋があります。 窓の竪格子が可動式で目隠しになるよう工夫されています。 ここから西側に2つの蔵が並んで歴史的な景観をつくっています。

26.大蔵院

嘉吉元(1441)年に、赤松祐尚が創建したといわれています。 赤松満祐を追討する幕府軍を迎え討つため、弟の赤松祐尚がここで陣を構えたと伝えられています。 祐尚夫妻の法号「見江院」、「大蔵院」が寺の山号と寺名とされています。 山門には厄除けに空想上の生物を表した瓦や彫り物が多彩に施されています。 本堂は入母屋の破風のある大きな反り屋根で、脇にある鐘楼も大きく立派なものです。 付近に多くの檀家を抱える寺院です。

27.明石焼の登り窯跡

民家の塀として登り窯の跡が残されています。 戦前まで多くの登り窯が使われていましたが、高い煙突が空爆の目標となることから多くの登り窯が廃業されたといわれています。

28.休天神社の据石

延宝7(1679)年、明石城主松平信之が、仰慕する菅原道真を奉り創建しました。以降学問の神様と崇められています。10世紀初頭、菅原道真が九州配流の途中に休息した腰掛石が移されているといわれています。

29.休天神社の参道

休天神社の南に参道があり、国道2号で分断されています。 木造二階建て、板張り壁の商家や町家などが建ち並んでいます。 旧西国街道から天神さんへの参道は、往時を偲ぶ雰囲気を残しています。

30.松井味噌の煙突と看板

大正3年創業の松井味噌の本店です。味噌を造る工程で豆を煮るために利用されたと思われる煙突や風情のある看板があり、付近で目立つ存在です。 現在は藤江に本社を移されています。

31.マタノ酒店

大蔵界隈には酒屋が多くあります。木造二階建て板張り壁の建物で、立派な板看板には風情が感じられます。酒屋であることを示す杉玉が吊られており、その上に庇があります。お花屋さんとしても営業されています。

32.黒漆喰のうだつ

黒漆喰塗りの家屋が連なった長屋です。2階には、延焼を避けるため、袖うだつ(防火壁)が設けられています。 東側の2階がせり出して、軒のようになり、1階は奥へ通じる通路となっています。

33.人丸花壇の石積み

人丸花壇の蔵は、周囲よりひと際高い石積みの上にあります。 元は小高い丘であったためと思われます。 石積みは、たびたび補修されたようで、石の色・種類・積み方が異なるなど、面白味があります。

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【まめ知識03】本陣跡と残された木

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