
明石城下の計画に伴い、港から明石川の南側一帯に水主が集められ、当津村新浜と呼ばれる漁村が形成されました。
この地域は戦災にあいましたが昔の敷石に沿って再建されたため複雑に木造住宅が密集して建ち並ぶ、かつての町割が大きく変わることのない地域となっています。
海に向かって縦断する通りが幾重にも並ぶ縦割りの町並みは、海との関係を第一に大切にする漁村ならではといえます。
漁業という共通の目的で結ばれた一帯は、 一つの井戸を共同で利用したり、各プロックでお地蔵様を祀るなど、集住世帯が一つの共同社会として機能しています。
町並みとして見ると、屋根や庇の高さはほぼ同じで、 間口や奥行きも大きく差異はありません。
細く縦横に巡らされた路地や密集家屋からなる人間サイズの町並みは、 地域の絆を一層結びつけているようです。



明石ヘリテージマップ『城下』2017



