
明石城下の海浜地区一体には、岩屋神社をはじめ、伊弉冊神社、(伊弉冊神社の)御旅所、伊弉諾神社、若宮神社など、大小の神社が和多く点在しています。
これら神社の参道は海に向かってまっすぐ伸びています。神社の祭神は海や川に因むことが多いという点からも、わたつみ(海神のこと)の神社であることは容易に想像できます。
玉垣が巡る大きな神社は、古い由緒を持つ氏神様として地域の信仰を集めています。一方、小さな神社(小神社)は地主神として、まちなかにひっそりと祀られています。
小神社の祭神は様々ですが、祠を守る人々の様々な願いのニーズがそこに反映されています。小神社は規模も小さいため、拝殿を設けるまでもなく簡素な造りです。
拝殿がない代わりに、大抵の小神社には献花や供物等を備えるための献台が設けてあることに気が付きます。献台は聖俗のささやかな結界となっています。



明石ヘリテージマップ『城下』2017