
大蔵には、お風呂屋さんが三軒ありました。内風呂が普及していない一昔前では、お風呂屋さんは暮らしに必要不可欠な存在でした。
一番東にあった「朝霧湯」は、平成15年頃に撤去されましたが、学生が卒業作品として製作した朝霧湯の内部の模型と、脱衣箱等が隣接の林田畳店に、大事に保管されています。明治初期の開業の「大正湯」は大正元年に大改造をしてその名がついたのですが、それまでは海水を汲んできて沸かした「塩湯」だったそうです。今はありません。江戸時代からの「玉椿湯」を明治26年に引き継いだ「東湯」は、大蔵で現在唯一、営業しています。
男女とも間口3間(約5.4m)の規模は、「玉椿湯」のそれをそのまま踏襲しています。
高くそびえ立つ煙突は、まちのランドマークとなっています。
午後2時に暖簾が掛かると、東湯の営業が始まります。広い湯船でゆったりと身体を癒す一時は、お風呂屋さんの醍醐味です。”心機一転、浮世に戻る”。お風呂屋さんは、暮らしの一部として、今もまちの人々に愛されています。

明石ヘリテージマップ『大蔵』2014

現況 現在も西国街道沿いに残存しています。

現況 現在も残存しています。